泉鏡花「夜叉ヶ池」

※みくしと全く同じ文章です。頑張って書いたのと、こっちしか見られない子と行ったのでこちらも更新。


演劇を見てきました。いつもの定期的なメンバーとのです(つっても2人)


婦人マガジン「夜叉ヶ池」泉鏡花原作。
「クラッシクルネッサンス」という企画物の一つだそうで、古典を現代劇で表現していこうという試み。しかし台詞は変えないという制約があったそうな。ちょっとそこら辺が苦しかったな!結論から言えば。
原作を読んでたら何を言ってるのか分かるのですが、読んでないとかなりキツかったと思います。それにかなり噛みまくっていました。台詞が何処から出ているのか分からないというか、言ってる役者さんも意味分かって言ってるのかな?と思う方もちょっと。ボロクソに言い過ぎですか。


舞台は現代風にアレンジされていて、百合と萩原(主役二人)は見事なラブラブバカップルでした。制約を無くして台詞も現代版アレンジにしたらもっと入りこめたかもー。後半は良かったのですが、それまでに何言ってるのか分からんところがちらほら。


泉鏡花そんなにマイナーなんだと、後からチャットで聞いてみてびっくり。
あの独特の美意識というか、ギャグ満載だけど(分からんけどねw)世界観が好きなんです。
ああいう美しい日本語がずっと残っていけばいいのに。無理かな。


http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/card3407.html
此処から読めます。流し読みしたら10分くらいでいけると思うので、宜しければどうぞ。


以下簡単なあらすじ

その昔、竜神が封じ込まれたと伝えられる夜叉ヶ池。一日に鐘を三度つき鳴らせば、竜神は池から出て暴れることはしないと人間と約束したという。その言い伝えを守り、萩原は妻の百合と毎日鐘をついていた。そこに学者風の男が現れる。名前は学円。
学円は萩原の友人で、失踪した萩原に会えて驚き喜ぶ。萩原も喜ぶが百合は萩原が去ってしまうのでは?と不安がる。


夜叉ヶ池の水底では、竜神白雪姫が剣ヶ峰千蛇ヶ池の主に恋焦がれていた。
竜神が池から出れば辺りには大津波が起こり全ての命が奪われることになる。それでもいいから剣ヶ峯に行きたいと懇願する白雪姫。人間との約束を破れば、天の怒りに触れるがそれでも構わないと。
人間より先にこちらが約束を破るわけにはいかない、既に約束を迷信と捉えている村人達が多くなっている今、放っておいても約束はいつか破られる、それまで待てと姫を宥める従者達。待てないと怒る白雪姫。恋のためなら自分の命がどうなっても構わないのだ。
その時、百合の歌声によって宥められる白雪姫。自分が動いて村人がいくら死んでも構わないが、あの美しい人の生命を取るのは忍びないと落ち着く。従者達はほっと一息ヽ(´ー`)ノ


その頃、辺りでは雨が降らずに日照がずっと続いていた。
日照で渇いた村人達は百合に生贄になれと迫る。命を取るのではなく裸に剥いて牛の背中に乗せて、夜叉ヶ池のほとりで牛を殺し供えれば良いのだと。
抵抗する百合を無理矢理連れていこうとする村人達に、萩原達が立ち塞がる。
押し問答になる内に、一触即発の雰囲気になり萩原達は取り囲まれてしまう。武器を取り上げられた萩原。百合の足元には萩原の鎌が。


自分が死ねば良いと自害する百合。時刻は丁度鐘を突かねばならない刻。
「僕はこの鐘を搗(つ)くまいと思う。」
「打つな、お百合さんのために、打つな。」
萩原の手により、鐘が落とされた途端に辺りに凄まじい音が響き渡り、地震と大津波が押し寄せる。萩原も自害し果て村人毎全ては水に沈む。
これで愛しい人のところに行けると喜ぶ白雪姫。一人鐘楼にて手を合わせる学円。水底には幸せそうに微笑む萩原と百合。

二つの大きな愛が中心になっている物語。萩原と百合、白雪姫の恋。
妻を生贄にしたくないと抵抗する萩原と、雨が降らなければ皆が枯れてしまうと怒る村人達。両方とも正論です。
その板挟みになり、愛する夫を守るために百合は自害しますが、自分だったらどうする?と演劇後の座談会(「婦人会」というものがありました)でアンケートを取ることに。
「死ぬ」と答えた方は百合役の女優さん一人でした(笑)客席も全部含む。
ならば「死なない」のか?と言われたらそうでもなくて、つまりはだ、どうせ死ぬかもしれないなら自分なら村人達に立ち向かって全部殺そうとするよね、そして二人で逃げるよね、という話に。私もそっちw


百合を一人で逝かせないと萩原は自害しますが、これはどうなのかな。愛する人を死なせまいと百合は自害したのだから、その後を追われては百合は辛いのでは。しかし萩原も愛する妻を守りたかったのに守れなかった、そんな気持ちを抱えたまま生きていくよりは、百合の後を追ってあの世で二人一緒を選択したわけで。
ここら辺は難しいお話。私なら後は追ってほしくないかな。忘れろとは言わないけれど、そこで死んでしまうよりは新しく生きてほしいかも。あくまで「かも」だ。そこまで激しい恋愛をしたことが無いってのが大きいです。
男の人はこういう場合どう考えるんでしょうか?死にます?(質問してみる)


どうでもいいが白雪姫役の方は、この前のハムレットハムレット王子でした。全然違うwこの方が一番良かったです。


次は3月かな。赤星マサノリ一人芝居。ピースピットは最低3回は見ると思われ。
ファントマも見たいです。「クラッシックルネッサンス」次は菊池寛父帰る」ですか。うーん、どうしようかな……。